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美容室の賃上げ補助金2026|加点措置と申請期限の注意点

美容室の賃上げ補助金2026|加点措置と申請期限の注意点

10月から最低賃金が上がります。スタッフの時給を上げなければいけないことは分かっていても、その原資をどこから出すのかは別の問題として残ります。そこに中小企業庁が2026年9月4日、最低賃金の引き上げに対応する中小企業・小規模事業者への支援策を公表しました。今年度の全国加重平均は1,177円。賃上げをする事業者に対する補助上限の引き上げと加点措置は、今回も継続されます。ただし使える制度には申請期限があり、いちばん早いものは自店の最低賃金の発効日の前日で締め切られます。この記事では、公表内容のうち美容室に関係する部分と、9月中に決めておくことを一次情報にあたって整理します。

この記事を3行で解説

  • 中小企業庁が2026年9月4日、最低賃金引き上げに対応する支援策を公表。今年度の全国加重平均は1,177円で、引き上げ幅は過去2番目。賃上げ事業者への補助上限引き上げと加点措置は継続。
  • 業務改善助成金は2026年9月1日に受付開始。締切は自店の都道府県の最低賃金発効日の前日か11月30日のいずれか早い日で、10月1日発効の地域は9月30日が期限。
  • 省力化投資補助金(一般型)は従業員5人以下で補助上限750万円、大幅な賃上げを行う場合は1,000万円。ただし賃上げ要件が未達だと返還がある。

1. 中小企業庁が最低賃金引き上げの支援策を公表した

要点:中小企業庁が2026年9月4日に支援策を公表しました。今年度の最低賃金の全国加重平均は1,177円です。

これから公表された内容について解説します。

  • 1-1 公表は2026年9月4日、全国加重平均は1,177円
  • 1-2 補助上限の引き上げと加点措置は引き続き実施される

1-1 公表は2026年9月4日、全国加重平均は1,177円

中小企業庁は2026年9月4日、最低賃金の引き上げに対応する中小企業・小規模事業者への支援策を公表しました。9月3日にすべての都道府県の地方最低賃金審議会で今年度の最低賃金が取りまとめられ、全国加重平均は1,177円になったと記載されています〔中小企業庁/お知らせ「最低賃金引上げに対応する中小企業・小規模事業者への支援策を公表します」/2026年9月4日公表/発表ページ〕。同じ発表のなかで、中小企業庁は今回の引き上げ幅を過去2番目の幅と表現しています〔同上〕。

ここで気をつけたいのが、1,177円という数字は全国を加重平均した値であって、自店に適用される金額でも、切り替える日でもないという点です。発効日は都道府県ごとに違います。最低賃金の発効日が10月1日から12月2日まで都道府県でばらつく件は別の記事で都道府県別に整理しているので、自店の所在地の日付はそちらで確認してください。

2店舗を都県をまたいで持っているオーナーだと、同じ月なのに店ごとに切り替え日が違うということが起きます。本社の所在地ではなく店舗の所在地で判定するため、賃金表を1本で管理していると、片方の店で下回る期間が生まれます。

1-2 補助上限の引き上げと加点措置は引き続き実施される

賃上げをする中小企業・小規模事業者に対する各種補助金の補助上限の引き上げと加点措置は、今年も引き続き実施されます〔中小企業庁/お知らせ「最低賃金引上げに対応する中小企業・小規模事業者への支援策を公表します」/2026年9月4日公表/発表ページ〕。賃上げを補助金の審査で不利にしない、むしろ有利に扱うという方向が改めて示された形です。

ただし、この発表の書き方は各種補助金という言い方にとどまっていて、どの補助金でいくら上限が上がるのかまでは書かれていません〔同上〕。実際にどう効くのかは制度ごとの公募要領を見るしかないため、この記事では第3章と第4章で、省力化投資補助金(一般型)の大幅賃上げ特例を例に、賃上げの有無で補助上限と補助率がどこまで変わるのかを具体的に見ていきます。

発表では、省力化ナビや生産性向上支援サポーター制度などのサポート体制を整備したうえで、省力化投資補助金とデジタル化・AI導入補助金で支援を行い「省力化投資促進プラン」を推進するとしています。販路開拓は持続化補助金等、税制は中小企業向け賃上げ促進税制で支援するとも書かれています〔同上〕。持続化補助金そのものの対象経費と申請の流れは美容室の持続化補助金活用ガイドにまとめています。デジタル化・AI導入補助金は旧IT導入補助金にあたるもので、名称が変わった経緯と美容室での使いどころは別記事にまとめています。

加えて、自治体と連携した支援機関によるプッシュ型のアプローチと、商工会・商工会議所による賃上げに向けた働きかけを合わせて、今年度末までに100万件の伴走支援・相談対応を目指すとしています〔同上〕。相談の間口が広がる年だと考えて、待つのではなく自分から窓口を叩いたほうが早いということです。

制度を横断して探したい場合は、補助金・助成金、税制優遇、相談窓口をまとめた賃上げ・最低賃金対応支援特設サイトが用意されています。関連するリーフレット・パンフレット・マニュアルは2026年9月4日に更新されています〔中小企業庁 事業環境部 企画課/賃上げ・最低賃金対応支援/2026年9月4日更新/制度ページ〕。

2. 業務改善助成金の締切は自店の発効日の前日

要点:令和8年度の業務改善助成金は2026年9月1日に受付が始まりました。締切は自店の都道府県の最低賃金発効日の前日か11月30日のいずれか早い日です。

これから業務改善助成金の期限と対象について解説します。

  • 2-1 受付は9月1日開始、締切は発効日の前日か11月30日の早い日
  • 2-2 賃上げも設備投資も、これから実施するものだけが対象

2-1 受付は9月1日開始、締切は発効日の前日か11月30日の早い日

厚生労働省は2026年9月1日、令和8年度業務改善助成金の受付開始を告知しました。申請期間は令和8年9月1日から、申請事業場の都道府県において適用される地域別最低賃金の発効日の前日、または同年11月30日のいずれか早い日までと記載されています〔厚生労働省/業務改善助成金(令和8年9月1日のお知らせ)/2026年9月1日公表/制度ページ〕。

ここが見落とされやすいところです。締切は全国一律の日付ではなく、自店の所在地によって変わります。10月1日に発効する地域の事業場なら、期限は9月30日。11月や12月に発効する地域でも、11月30日を越えることはありません。最低賃金の改定を知ってから動き出すと、すでに締め切られているという順番になりかねません。

10月1日発効の地域で店を構えているなら、この記事を読んでいる時点で残りは3週間ほどです。設備投資の見積もりを取るところから始めると、書類が揃う前に期限が来ます。まずは自店の発効日を確定させて、そこから逆算する順番になります。

2-2 賃上げも設備投資も、これから実施するものだけが対象

業務改善助成金は、生産性向上に資する設備投資等(機械設備導入やコンサルティングなど)を行うとともに、事業場内最低賃金を各コースに定める金額以上引き上げた場合に、その設備投資などにかかった費用の一部を助成する制度です〔厚生労働省/業務改善助成金(令和8年9月1日のお知らせ)/2026年9月1日公表/制度ページ〕。事業場内最低賃金の引き上げ計画と設備投資等の計画を立てて申請し、交付決定後に計画どおり事業を進め、結果を報告することで支給されます〔同上〕。

助成される金額は、生産性向上に資する設備投資等にかかった費用に一定の助成率をかけた金額と、助成上限額とを比較して、いずれか安い方になります。助成上限額は、事業場内最低賃金の引き上げ額と、引き上げる労働者数によって変わります〔同上〕。

留意事項として、事業場内最低賃金の引き上げや設備投資等はこれから実施するものが助成の対象になること、労働者(従業員)がいない場合は助成の対象にならないことが明記されています〔同上〕。9月のうちに先にシャンプー台を入れ替えて、10月に申請するという順番では対象になりません。交付決定を待ってから発注する、という手順を守る必要があります。

もうひとつ。厚生労働省は、同省から委託を受けたと装って助成金の活用を勧誘する事業者が存在するとの情報が寄せられているとして、注意喚起を出しています。厚生労働省や労働局が特定の事業者に助成金の勧誘を委託することはない、と明記されています〔同上〕。この時期は営業電話が増えます。委託を名乗る相手には、まず労働局かコールセンターに確認するのが安全です。

3. 省力化投資補助金は賃上げで上限も補助率も変わる

要点:従業員5人以下の補助上限は750万円で、大幅な賃上げを行う場合は1,000万円に上がります。第8回公募の締切は2026年10月中旬の予定です。

これから省力化投資補助金(一般型)の中身について解説します。

  • 3-1 従業員5人以下は上限750万円、大幅賃上げで1,000万円
  • 3-2 第8回公募は10月中旬締切の予定

3-1 従業員5人以下は上限750万円、大幅賃上げで1,000万円

中小企業省力化投資補助金(一般型)は、人手不足に悩む中小企業等がIoT・ロボット等のデジタル技術を活用した設備を導入する費用の一部を補助する制度です。付加価値額や生産性の向上を図り、賃上げにつなげることを目的としています〔独立行政法人中小企業基盤整備機構/中小企業省力化投資補助金(一般型)公式サイト「一般型とは」/第8回公募情報の掲載は2026年8月18日/制度ページ〕。美容室の規模だと、次の区分が該当します。

従業員数 補助上限額 大幅な賃上げを行う場合
5人以下 750万円 1,000万円
6〜20人 1,500万円 2,000万円
21〜50人 3,000万円 4,000万円
51〜100人 5,000万円 6,500万円
101人以上 8,000万円 1億円

補助率は中小企業が2分の1、小規模企業者・小規模事業者と再生事業者は3分の2です。大幅な賃上げを行う場合は、上の表のとおり補助上限額が引き上げられます〔独立行政法人中小企業基盤整備機構/中小企業省力化投資補助金(一般型)公式サイト「一般型とは」/第8回公募情報の掲載は2026年8月18日/制度ページ〕。

対象経費は、機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費です。事業実施期間は交付決定日から18か月以内(採択発表日から20か月以内)と記載されています〔同上〕。

予約管理と顧客カルテを紙とエクセルで回している店が、受付とレジ締めにかかっていた時間を短くする。方向としてはこの補助金の趣旨に沿いますが、注意点があります。対象経費のうち機械装置・システム構築費は必須と明記されており、その他要件として、人手不足の解消に向けてオーダーメイド設備等の導入等を行う事業計画を策定することが挙げられています〔同上〕。既製のクラウドサービスを月額で契約するだけの計画では要件を満たさない可能性があるため、何をどう構築するのかまで含めて設計する必要があります。

あわせて、業務量が削減される割合を示す省力化効果が見込まれる事業計画を策定すること、事業計画上の投資回収期間を根拠資料とともに提出すること、3年から5年の事業計画期間内に設備投資前と比較して付加価値額が増加する事業計画を策定することが求められます〔同上〕。感覚ではなく、時間を数字で出す作業が先に来ます。

3-2 第8回公募は10月中旬締切の予定

第8回公募は2026年8月18日に公募が開始されました。申請受付開始は2026年9月中旬(予定)、公募締切は2026年10月中旬(予定)、採択発表は2027年2月上旬(予定)です〔独立行政法人中小企業基盤整備機構/中小企業省力化投資補助金(一般型)公式サイト「スケジュール(一般型)」/第8回公募情報の掲載は2026年8月18日/スケジュールページ〕。

採択発表が2027年2月上旬の予定ということは、いま申請しても設備が動き出すのは春以降になります。10月の最低賃金改定で足りなくなる分を、この補助金で埋めることはできません。今期の人件費は別の手当てをしたうえで、来期の生産性を上げる投資として組む、という時間軸の切り分けが必要になります。

4. 賃上げ要件が未達だと返還がある

要点:基本要件には1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上と、事業所内最低賃金が都道府県の最低賃金プラス30円以上が含まれます。未達だと返還があります。

これから賃上げ要件と返還のルールについて解説します。

  • 4-1 基本要件は生産性・給与・事業所内最低賃金の組み合わせ
  • 4-2 大幅賃上げ特例は合計6.0%以上と最低賃金プラス50円

4-1 基本要件は生産性・給与・事業所内最低賃金の組み合わせ

省力化投資補助金(一般型)の基本要件は4つです〔独立行政法人中小企業基盤整備機構/中小企業省力化投資補助金(一般型)公式サイト「一般型とは」/第8回公募情報の掲載は2026年8月18日/制度ページ〕。

  • 労働生産性の年平均成長率が4.0%以上増加すること
  • 1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%(日本銀行が定める物価安定の目標に1.5%を加えた水準)以上増加させること
  • 事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金プラス30円以上の水準であること
  • 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等すること(従業員21名以上の場合のみ)

最低賃金引上げ特例適用事業者の場合は、基本要件が1つ目、2つ目、4つ目のみになると明記されています〔同上〕。

返還のルールも公表されています。1人当たり給与支給総額の要件が未達の場合は達成率に応じて補助金を返還、事業所内最低賃金の要件が未達の場合は、補助金額を計画年数で割った額を返還します。免除の条件は要件ごとに分かれていて、給与支給総額の要件については付加価値額が増加しておらず、かつ企業全体として事業計画期間の過半数が営業利益赤字の場合など、事業所内最低賃金の要件については付加価値額が増加しておらず、かつ企業全体として当該事業年度の営業利益が赤字の場合などが挙げられています。いずれも、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は返還が免除されます〔同上〕。

ここが実務で効いてくるところです。補助金が出るから設備を入れる、という順番で考えると、事業計画期間にわたって1人当たり給与支給総額を年平均3.5%以上のペースで伸ばす約束を同時に背負うことになります。年平均なので単年の凹凸そのものは許容されますが、スタッフが1人辞めて採用が埋まらない年が続けば、計算はすぐ崩れます。設備の話ではなく、人員計画の話として決める必要があります。

4-2 大幅賃上げ特例は合計6.0%以上と最低賃金プラス50円

補助上限額を250万円から2,000万円上乗せする大幅賃上げ特例には、2つの条件があります。基本要件である1人当たり給与支給総額の年平均成長率プラス3.5%に加えて、さらにプラス2.5%以上(合計プラス6.0%以上)の増加を達成すること。そして事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金プラス50円以上の水準であること。このいずれか一方でも未達の場合、各申請枠の従業員規模区分別の補助上限額との差額について補助金を返還します〔独立行政法人中小企業基盤整備機構/中小企業省力化投資補助金(一般型)公式サイト「一般型とは」/第8回公募情報の掲載は2026年8月18日/制度ページ〕。

補助率を3分の2に引き上げる特例も別に用意されています。こちらは2024年10月から2025年9月までの間で、当該期間における地域別最低賃金以上から2025年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が、全従業員数の30%以上である月が3か月以上あることが条件です(小規模事業者と再生事業者は除く)〔同上〕。最低賃金の近くで働くスタッフが多い店ほど、この特例に当たりやすい設計になっています。

上乗せの金額だけを見て特例を狙いにいくと、返還条項が残ります。取れる上限ではなく、確実に守れる約束の範囲で申請枠を決める。ここが判断の分かれ目になります。

5. 美容室が9月中に決めておく3つのこと

要点:自店の発効日と不足額の確定、設備投資を決める順番、相談先の確保の3つです。

これから9月中に決めておくことについて解説します。

  • 5-1 いくら足りないかを人数分まで出す
  • 5-2 補助金ありきで設備を決めない
  • 5-3 相談先を9月のうちに押さえる

5-1 いくら足りないかを人数分まで出す

最初にやることは、制度を調べることではなく、自店の数字を出すことです。自店の店舗所在地に適用される発効日を確認し、その日時点で新しい最低賃金を下回る人が誰と誰かを洗い出し、時給を合わせたときに月額でいくら増えるかを人数分まで足す。ここまで出さないと、どの制度がいくらの穴を埋められるのかを判断できません。

歩合給や固定残業代を採っている場合は、そのままの支給額ではなく時給に換算して判定することになります。手順は発効日の確認から時給の洗い出しまでの4手順に分けて整理してあります。

不足額が月に数万円なら、価格や生産性で吸収する話になります。数十万円なら、支援策を含めて資金の組み立てを変える話になります。同じ最低賃金の改定でも、店によって打ち手はまったく別のものになります。

5-2 補助金ありきで設備を決めない

使いたい制度から逆算して設備を決めると、順番が入れ替わります。省力化投資補助金は、業務量が削減される割合を示す省力化効果が見込まれる事業計画と、投資回収期間を根拠資料とともに提出することを求めています〔独立行政法人中小企業基盤整備機構/中小企業省力化投資補助金(一般型)公式サイト「一般型とは」/第8回公募情報の掲載は2026年8月18日/制度ページ〕。どの業務に何分かかっていて、それが何分に減るのか。この数字が先にあるかどうかで、書ける計画かどうかが決まります。

業務改善助成金の側も、事業場内最低賃金の引き上げや設備投資等はこれから実施するものが対象と明記しています〔厚生労働省/業務改善助成金(令和8年9月1日のお知らせ)/2026年9月1日公表/制度ページ〕。すでに発注した設備は対象外です。順番を間違えると、補助も助成も受けられないまま支出だけが残ります。

もうひとつ押さえておきたいのが特例事業者の仕組みです。厚生労働省は、賃金要件または物価高騰等要件のいずれかに該当する事業者を特例事業者としており、いずれかに該当すれば助成上限額の拡大が受けられる、助成対象経費の拡大は物価高騰等要件のみが対象、としています〔同上〕。該当するかどうかで使える幅が変わるため、申請の前に自店がどちらかに当たらないかを確認しておくところです。要件の中身と、引き上げ額・労働者数ごとの助成上限額の具体的な区分は、同ページのリーフレット(業務改善助成金のご案内)に記載されています〔同上〕。

受付から締切までの時間で見ると、業務改善助成金は自店の発効日の前日まで、省力化投資補助金の第8回は10月中旬までの予定。どちらも、いまから設備の選定を始めて間に合う幅ではありません。すでに検討していた投資があるかどうかで、今年動くか来年に回すかを決めるのが現実的です。

5-3 相談先を9月のうちに押さえる

業務改善助成金には専用のコールセンターが開設されています。電話番号は0120-366-440、受付時間は平日9時から17時です〔厚生労働省/業務改善助成金(お問い合わせ先・申請先/コールセンターの開設は令和8年4月22日)/制度ページ〕。制度の可否を自分の解釈で決める前に、ここで自店の条件を確認するのがいちばん早い道です。

中小企業庁は、今年度末までに100万件のプッシュ型のアプローチによる伴走支援・相談対応を目指すとしています〔中小企業庁/お知らせ「最低賃金引上げに対応する中小企業・小規模事業者への支援策を公表します」/2026年9月4日公表/発表ページ〕。商工会・商工会議所が起点になると書かれているので、地域の商工会議所に会員として繋がっているかどうかが、そのまま情報の入り口の差になります。

賃金規程の変更や割増賃金の取り扱いが絡む場合は、社会保険労務士に確認するところまでを9月のうちに済ませておくのが安全です。コスト・制度・集客の変化を横断して追いたい場合は、美容室経営に効く業界動向2026のまとめに主要な制度改正と市場データをまとめています。

6. この記事のまとめ

要点:全国加重平均は1,177円。業務改善助成金の締切は自店の発効日の前日、省力化投資補助金の第8回は10月中旬締切の予定です。

中小企業庁が2026年9月4日、最低賃金の引き上げに対応する中小企業・小規模事業者への支援策を公表しました。9月3日に全都道府県の地方最低賃金審議会で取りまとめられた今年度の全国加重平均は1,177円で、中小企業庁は引き上げ幅を過去2番目の幅と明記しています〔中小企業庁/お知らせ「最低賃金引上げに対応する中小企業・小規模事業者への支援策を公表します」/2026年9月4日公表〕。賃上げをする事業者への補助上限の引き上げと加点措置は引き続き実施され、省力化投資補助金とデジタル化・AI導入補助金による省力化投資促進プランが推進されます。使える制度には期限があり、業務改善助成金は自店の発効日の前日か11月30日の早い日、省力化投資補助金の第8回公募は10月中旬締切の予定です。

  • 今年度の最低賃金の全国加重平均は1,177円。引き上げ幅は過去2番目(中小企業庁・2026年9月4日公表)。
  • 賃上げをする中小企業・小規模事業者への補助上限引き上げと加点措置は引き続き実施される。
  • 業務改善助成金の申請期間は2026年9月1日から、自店の都道府県の地域別最低賃金の発効日の前日か11月30日のいずれか早い日まで。
  • 業務改善助成金は、賃金引き上げも設備投資もこれから実施するものが対象。労働者がいない場合は対象外。
  • 省力化投資補助金(一般型)の補助上限は従業員5人以下で750万円、大幅な賃上げを行う場合は1,000万円。補助率は中小企業2分の1、小規模事業者は3分の2。
  • 省力化投資補助金の第8回公募は締切2026年10月中旬(予定)、採択発表2027年2月上旬(予定)。
  • 基本要件の給与支給総額プラス3.5%と事業所内最低賃金プラス30円は、未達だと返還の対象になる。

7. よくある質問

要点:従業員がいない場合、設備を先に入れた場合、賃上げができなかった場合の3点をまとめました。

Q1. 従業員が1人もいない個人経営の美容室でも業務改善助成金は使えますか。

使えません。厚生労働省は、業務改善助成金は労働者(従業員)の事業場内最低賃金を引き上げるための支援制度であるため、労働者(従業員)がいない場合は助成の対象とならないと明記しています〔厚生労働省/業務改善助成金(令和8年9月1日のお知らせ)/2026年9月1日公表/制度ページ〕。1人サロンの場合は、販路開拓を対象とする持続化補助金など別の制度を当たることになります。

Q2. 先に設備を入れてから業務改善助成金を申請しても間に合いますか。

対象になりません。厚生労働省は、事業場内最低賃金の引き上げや設備投資等はこれから実施するものが助成の対象になると明記しています〔同上〕。申請して交付決定を受けてから計画どおりに事業を進め、結果を報告することで支給される流れです〔同上〕。加えて締切は自店の都道府県の発効日の前日か11月30日のいずれか早い日なので、順番と期限の両方を先に確認してください。

Q3. 省力化投資補助金で賃上げができなかった場合はどうなりますか。

返還の対象になります。1人当たり給与支給総額の年平均成長率の要件が未達の場合は達成率に応じて、事業所内最低賃金の要件が未達の場合は補助金額を計画年数で割った額を返還します。ただし、付加価値額が増加しておらず、かつ企業全体として営業利益が赤字の場合などや、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は返還が免除されます〔独立行政法人中小企業基盤整備機構/中小企業省力化投資補助金(一般型)公式サイト「一般型とは」/第8回公募情報の掲載は2026年8月18日/制度ページ〕。要件の詳細と免除の条件は公募要領で確認してください。

ご利用にあたって

本記事は2026年9月8日時点で公表されている情報をもとにした一般的な情報提供であり、個別の経営判断・労務・税務に関する助言ではありません。記載した補助率・補助上限・要件・申請期限は各実施機関の公表資料に基づく概要であり、実際の申請可否や要件の詳細は各制度の公募要領・交付要綱が正となります。制度の内容および期限は変更される場合があります。申請にあたっては公募要領を必ずご確認のうえ、業務改善助成金コールセンター、各都道府県労働局、商工会・商工会議所、または社会保険労務士・税理士・中小企業診断士等の専門家へご相談ください。賃金規程の変更、賃金表の設計、割増賃金の取り扱いについては社会保険労務士へご確認ください。

更新履歴

2026年9月8日:初版公開(中小企業庁「最低賃金引上げに対応する中小企業・小規模事業者への支援策を公表します」2026年9月4日公表、厚生労働省「業務改善助成金」2026年9月1日のお知らせ、中小企業省力化投資補助金(一般型)公式サイトの公表情報をもとに作成)。

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