美容サロン経営の総合メディア。
ホーム› 「新規のお客様を増やしたい」集客› 美容室の開業集客|オープン前…

美容室の開業集客|オープン前から新規を集める設計の順番

杉本 遼平監修:杉本 遼平(株式会社tenection 代表取締役)
美容室の開業集客|オープン前から新規を集める設計の順番

文・構成/SALOG編集部(株式会社VOC) 監修:杉本遼平(株式会社tenection 代表) 公開:2026年10月1日/最終更新:2026年10月1日 運営者・編集方針はこちら

これから美容室を開業する人にとって、いちばん怖いのは「オープンしたのにお客様が来ない」という状態です。内装や仕入れにお金をかけても、予約が埋まらなければ売上は立ちません。そして集客は、開業してから慌てて始めるより、オープン前から準備したほうがうまくいきやすくなります。この記事では、独立オープン2ヶ月で新規約700名を集めた株式会社tenection・杉本遼平さんのノウハウをもとに、開業前にやる準備から、プレオープンの設計、来店までの導線づくりまでを順番に解説します。媒体に頼りきらず、自分の店で新規を集められるようになるための設計図です。

この記事を3行で解説

  • 美容室の開業集客は、オープン後ではなくオープン前から始めるほど成果が出やすい。
  • ホットペッパーなどの媒体がカバーできるのは一部の層だけで、残りの「無認知層」を動かす設計が新規数を大きく左右する。
  • プレオープンやチラシは「来店動機をずらす」立て付けと、来店までの導線設計があって初めて効く。

1. なぜ美容室は開業前から集客を始めるべきか

要点:美容室は数が多く新規の取り合いになりやすいため、オープン初月から予約を埋める準備を、開業前からしておく必要があります。

これから開業前に集客を始めるべき理由について解説します。おさえておきたいのは次の2点です。

  • 1-1 美容室は飽和していて、何もしなければ埋もれる
  • 1-2 「開業のとき」にしか使えない集客の立て付けがある

1-1 美容室は飽和していて、何もしなければ埋もれる

美容室の数は年々増え続けています。厚生労働省の集計では、全国の美容所数は274,070施設にのぼります〔厚生労働省「令和5年度衛生行政報告例」2024年3月末時点/e-Stat 統計表〕。コンビニエンスストアの店舗数よりはるかに多く、同じエリアに競合がひしめいているのが現実です。新しく開業しても、ただ看板を出して待っているだけでは、お客様はすでに通っている店から動いてくれません。だからこそ、開業というタイミングで「この店を知ってもらう」仕掛けを能動的に打つ必要があります。

1-2 「開業のとき」にしか使えない集客の立て付けがある

開業には、あとからは使えない強い集客の切り口があります。それが「新しくお店ができます」という事実そのものです。既存店が同じことをやると不自然になる無料体験やプレオープンも、開業時なら「オープンのご挨拶」という自然な理由になります。杉本さんは、集客で大事なのは「来店動機をずらす」ことだと言います。開業というイベント性を集客の動機に変えられるのは、まさにこの時期だけです。この切り口を、オープンしてから思い出しても遅いのです。

2. 開業集客で最初に決める2つの前提

要点:集客方法を考える前に、「誰に向けるか(ターゲット)」と「どう届けるか(集客方法)」を分けて決めると、打ち手がぶれません。

これから開業集客の前提の決め方について解説します。次の2つを先に整理します。

  • 2-1 ペルソナを絞りすぎない(新規数を最大化したい場合)
  • 2-2 ずらすのはターゲットではなく集客方法

2-1 ペルソナを絞りすぎない(新規数を最大化したい場合)

開業時にスタッフを抱え、空いた予約枠を一気に埋めたいなら、ターゲットを狭くしすぎないほうが有利です。杉本さんはセミナーで、数を取りたい場合の考え方をこう述べています。「数の最大化を目指すなら、ペルソナをニッチにしすぎないことが大事」〔株式会社tenection 杉本遼平氏 セミナー「独立オープン2ヶ月で新規約700名を集客した方法」〕。一人サロンで月の新規が5〜10人でよいならニッチでも成立しますが、スタッフ分の枠を埋めるなら、美容の本質である「髪をきれいにしたい人」という広い層に軸を置いたほうが、母数を確保できます。

2-2 ずらすのはターゲットではなく集客方法

「髪をきれいにする」という大きな需要は、競合も狙うレッドオーシャンです。そこで多くの店はターゲットを細分化して差別化しようとします。杉本さんの考え方は逆で、「ずらすのはターゲットではなく集客方法」だとしています。狙う人は広いまま、届け方を人とは違うものにする。この順番で考えると、次に出てくる「媒体に頼りきらない」という発想が自然につながります。

3. 媒体(ホットペッパー)だけに頼らない理由

要点:予約サイトが届く層には限りがあり、そこだけで戦うと値下げ競争になりやすいため、媒体を使わない層にも届ける設計が必要です。

これから媒体に頼りきらない理由について解説します。ポイントは次の2つです。

  • 3-1 媒体がカバーできる層には限界がある
  • 3-2 広告は基本ノイズ。来店動機をずらす

3-1 媒体がカバーできる層には限界がある

開業時にまず思いつくのはホットペッパービューティーなどの予約サイトへの掲載です。もちろん有効な手段ですが、それだけに頼ると限界があります。杉本さんは、ホットペッパーの営業を2年半経験した立場から、媒体がカバーできる人口は約35%にとどまり、残り約65%は媒体を使わずに美容室を選んでいる、と指摘しています〔株式会社tenection 杉本遼平氏 セミナー「独立オープン2ヶ月で新規約700名を集客した方法」〕。掲載店が同じ土俵で単価やキャッチコピーを競い合うほど、価格を下げる方向に引っ張られます。値下げのしわ寄せは現場のスタッフに向かうため、開業時こそ媒体一本に絞らない設計が大切です。

3-2 広告は基本ノイズ。来店動機をずらす

予約サイトの決定率が高いのは、そこに集まる人が「美容室を探そう」という目的で見ているからです。一方で、InstagramやポスティングのチラシはもともとSNSやポストを見るための場であり、そこへ差し込まれる美容室の広告は、多くの人にとってはノイズになります。だから杉本さんは「来店動機をずらす=広告を広告と思わせない」ことを重視します。次に紹介するプレオープンやチラシの設計は、すべてこの考え方が土台になっています。

4. 開業前にやる集客準備(オープン1〜2ヶ月前から)

要点:オープンの1〜2ヶ月前から、検索・SNS・LINE・店頭の4つで「開店前の店」を見つけてもらえる状態をつくっておきます。

これから開業前にやる集客準備について解説します。やることは次の4つです。

  • 4-1 Googleビジネスプロフィールと地図対策
  • 4-2 SNSは「店名アカウント」で準備の様子から出す
  • 4-3 LINE公式アカウントを先に開設する
  • 4-4 工事中の店頭を無言の広告にする

4-1 Googleビジネスプロフィールと地図対策

開業が決まり住所が確定したら、まずGoogleビジネスプロフィールを登録します。地図アプリや「地名+美容室」で検索したときに表示される土台になり、オープン前から店名・場所・オープン予定日を知らせられます。地図経由の集客(MEO)の進め方は美容室のMEO対策で詳しく解説しています。

4-2 SNSは「店名アカウント」で準備の様子から出す

SNSは、開店してから始めるのではなく、準備段階から店名のアカウントで発信します。内装づくりの様子、スタッフ紹介、どんな店にしたいかという思いを、オープン前から見せていきます。これは杉本さんの言う「来店前に店を好きになってもらう」という発想と同じで、オープン初日にすでにファンがいる状態をつくる準備です。予約につながる具体的な運用は美容室のInstagram集客を参考にしてください。

4-3 LINE公式アカウントを先に開設する

開業前に必ず用意したいのがLINE公式アカウントです。チラシやSNSで興味を持った人を、まずLINEの友だち追加で受け止める。予約サイトは店を離れると関係が切れますが、LINEなら開店後も直接連絡を取り続けられます。あとで述べる導線設計の入口になるため、集客を始める前に開設しておきます。

4-4 工事中の店頭を無言の広告にする

路面店なら、工事中の店頭そのものが毎日の広告になります。業態と名前、オープン予定日がわかる告知を出し、通りがかりの人に「ここに美容室ができる」と刷り込みます。前を通る人は見込みの近隣客そのものなので、何も掲示しないのは機会損失です。

5. プレオープン×チラシで新規を一気に集める設計

要点:開業時だけ使える「プレオープン=地域へのご挨拶」という立て付けと、捨てられないチラシを組み合わせると、新規を一気に集められます。

これからプレオープンとチラシの設計について解説します。順番は次の3つです。

  • 5-1 プレオープンという「来店の言い訳」をつくる
  • 5-2 チラシ3つのハードルを越える
  • 5-3 先にギブして行動してもらう

5-1 プレオープンという「来店の言い訳」をつくる

杉本さんが独立時に使った主役はチラシでした。ただし値引きを前面に出すチラシは「よくある広告」と見なされて捨てられます。そこで集客をイベントに振り替えます。実際に配ったのは「プレオープンのご案内」で、オープン数日前に全メニュー無料の体験日を設ける、という内容でした。出店エリアの半径2km圏内に約1万枚をポスティングしたところ、LINEの友だち追加が約1000件弱、反応率にして約10%という結果になったと述べています〔株式会社tenection 杉本遼平氏 セミナー「独立オープン2ヶ月で新規約700名を集客した方法」〕。一般的なポスティングの反応率と比べて大きな数字です。ポイントは、無料体験を「地域へのご挨拶」という自然な理由に立て付けたことです。無料でなくても、スタイリングやヘッドスパなど、無理のない範囲のギブで構いません。

5-2 チラシ3つのハードルを越える

チラシが行動につながるには、3つの関門を越える必要があります。杉本さんの整理を表にすると次のとおりです。

関門 起きること 越える工夫
①持ち上がらせる ポストで中も見られず捨てられる 表面は広告色ゼロ。飾りたくなるデザインで一度手に取らせる
②開封させる 他の郵便物に紛れて見られない チラシに見えない体裁にし、中身を見てもらう
③行動させる 見ても行動しない QRからLINE追加という次の一歩を明確に示す

杉本さんは、理想は「家に飾りたくなるチラシ」だと述べています。デザインにこだわり、裏表印刷で表面を広告に見せないだけで、捨てられる確率は大きく下がります。

5-3 先にギブして行動してもらう

中身を見てもらえたら、最後は行動してもらう番です。ここで効くのが「先にギブする」姿勢です。プレオープンの無料体験そのものが強い来店動機になりますが、杉本さんはさらに、予約が取れなかった人にも抽選でプレゼントを用意するなど、徹底してギブしたと言います。開業というタイミングだからこそ、まず与える設計が素直に成立します。

6. 集客は導線設計が9割(LINE追加から来店まで)

要点:チラシやSNSで集めた友だちを来店につなげるには、追加から来店までの流れを事前に設計しておく必要があります。

これから来店までの導線設計について解説します。流れと考え方は次の2つです。

  • 6-1 LINE追加から来店までの4ステップ
  • 6-2 「3回ルール」で紹介を連鎖させる

6-1 LINE追加から来店までの4ステップ

友だち追加はゴールではなくスタートです。杉本さんは「集客は導線設計が9割」と言い、追加から来店までを次の順番で設計したと述べています。

  1. プロセスの共有:準備の様子やオーナーの思いをLINE限定で届け、店を好きになってもらう
  2. 予約URLの配信:配信日を明確にし、「枠が少なくすぐ埋まるかもしれません」と、あらかじめ想定される反応を先に伝えておく
  3. 当日の様子の配信:実際に体験している様子を翌日に届け、「本当にやっているのか」という疑いを消す
  4. 来店のオファー:ここまでやり切ってから、限定の来店オファーを出す

追加された人を放置せず、来店という行動まで一本の線でつなぐ。この設計があるかどうかで、同じ友だち数でも来店数がまったく変わります。

6-2 「3回ルール」で紹介を連鎖させる

杉本さんは、人は「異なる情報源から3回同じ情報に触れると強く興味を持つ」と述べています。チラシ、SNS、そして近所の人の口コミ。別々の経路から繰り返し耳に入ると、店への興味が一気に高まります。開業時に地域で話題をつくれると、来店した人が次の人を連れてくる紹介の連鎖が生まれます。杉本さんのケースでも、体験に来た人たちの紹介が積み重なって新規数が大きく伸びたと言います。紹介や口コミを増やす具体策は美容室の集客方法10選もあわせて確認してください。

7. 開業集客のゴールは「次回来店」まで設計すること

要点:新規を集めて終わりにせず、次回来店の動機づけまで設計して初めて、開業集客は売上として残ります。

これから開業集客のゴールについて解説します。おさえたいのは次の2点です。

  • 7-1 新規集客の目的は生産性(売上)
  • 7-2 値下げに頼らないための次回来店設計

7-1 新規集客の目的は生産性(売上)

杉本さんは、新規集客の目的を「お店の生産性=売上を上げること、すべては現場で働くスタッフのため」だとしています。割引で数だけ集めても、単価が下がれば生産性は上がらず、しわ寄せはスタッフに向かいます。開業集客は「何人集めたか」ではなく「売上とスタッフの働きやすさにつながったか」で評価する、という視点です。

7-2 値下げに頼らないための次回来店設計

そのために、新規が来た段階で次回来店の動機づけまで仕込みます。初回の施術後に次回の提案をする流れを決めておき、再来につなげる。再来が積み上がれば売上が安定し、値下げに頼らない経営に近づきます。次回予約や再来の設計は美容室のクーポン設計でも扱っています。開業集客は、こうした再来設計や単価・組織づくりと地続きです。店全体の設計は美容室経営の教科書で全体像を確認できます。

8. まとめ:開業集客でやることの順番

開業集客は、オープン前の準備から始めるほど成果が出ます。ここまでの流れを300字で整理します。

美容室は飽和しているため、開業しても待つだけでは埋もれます。まずターゲットは広く、集客方法を人と変える、という前提を決めます。ホットペッパーなどの媒体は有効ですが届く層に限りがあるため、残りの無認知層に「来店動機をずらして」届けます。オープン前にGoogleビジネスプロフィール・SNS・LINE・店頭告知で見つかる状態をつくり、開業時だけ使えるプレオープンと捨てられないチラシで一気に集める。集めた友だちはLINEで来店まで導線設計し、次回来店の動機づけまで設計して売上に変える。これが開業集客でやることの順番です。

重要ポイント

  • 集客はオープン前から始める(検索・SNS・LINE・店頭の4点を先に整える)
  • 媒体だけに頼らず、無認知層に「来店動機をずらして」届ける
  • プレオープンは「地域へのご挨拶」という立て付けで広告色を消す
  • チラシは捨てられない体裁にし、先にギブして行動してもらう
  • 集めた友だちは導線設計で来店へ、さらに次回来店まで設計する

よくある質問(Q&A)

Q1. 開業集客はいつから始めればいいですか?
A. 遅くともオープンの1〜2ヶ月前からが目安です。Googleビジネスプロフィールの登録、SNSの店名アカウント運用、LINE公式アカウントの開設は、住所が決まった時点で着手できます。開店してからでは、準備の様子を見せてファンをつくる時間が取れません。

Q2. 広告費が限られていても開業集客はできますか?
A. できます。杉本さんのケースでも、新規1人あたりの単価は数百円だったと述べられています。費用をかける前に、来店動機をずらす立て付けと、LINEを使った導線設計で反応率を上げるほうが先です。無料体験が難しければ、スタイリングやヘッドスパなど無理のないギブに置き換えられます。

Q3. ホットペッパーには掲載しなくてよいのですか?
A. 掲載しない、という話ではありません。媒体がカバーする層には有効なので使ってよいのですが、そこだけに頼ると値下げ競争になりやすい、ということです。媒体と、自分の店で集める方法(SNS・チラシ・紹介)を両輪で回すのが開業集客の現実解です。媒体に依存しない設計は美容室のホットペッパー集客でも解説しています。

運営者・免責

この記事は、美容サロン経営の総合メディアSALOG(株式会社VOC運営)編集部が構成し、集客・求人分野の監修者である杉本遼平氏(株式会社tenection 代表)のセミナーノウハウをもとに作成しました。記載の数値・事例は出典を明記しています。集客の成果は立地・商圏・競合状況によって変わるため、効果を保証するものではありません。自店の状況に合わせて設計してください。運営者情報と編集方針は運営者ページに記載しています。

更新履歴

  • 2026年10月1日:公開

杉本遼平(株式会社tenection)の30分無料経営セッション
杉本 遼平
この記事の監修者

杉本 遼平株式会社tenection 代表取締役

関西の大手美容サロンで美容師としてキャリアをスタート。リクルートでHot Pepper Beautyの営業を経験し集客・経営のノウハウを学ぶ。2020年に株式会社tenectionを創業し、創業5年で21店舗・在籍美容師180名以上のグループに成長させた。美容サロンオーナー向け顧問「すぎもん顧問」として集客・求人・組織づくりを伴走支援する。

プロフィール →
スタイリスト診断 あなたはどのタイプ?48問でわかる16タイプ
※画像はイメージです