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カラー剤も値上げの時代 美容室の価格改定を納得させる根拠の作り方

カラー剤も値上げの時代 美容室の価格改定を納得させる根拠の作り方

カラー剤やパーマ液、トリートメント、店販のシャンプーまで、美容室で使う材料の仕入れ値がじわじわ上がっています。円安や原材料の高騰が続くなかで、メーカーの値上げが相次いでいるからです。とはいえ、コスト増をぜんぶ我慢して利益を削り続けると、いつか経営そのものが苦しくなります。かといって、なんとなく値上げするのもお客さまが離れそうで怖いものです。この記事では、上がり続ける材料費にどう向き合い、納得感のある価格改定をどう進めるかを、原価の見える化から具体的な手順まで、経営の目線でまとめました。

この記事を3行で解説

  • 円安と原材料高で、カラー剤や店販材の仕入れ値が上がり続けている。
  • コスト増を利益で吸収し続けるのは限界があり、原価の見える化が出発点になる。
  • 根拠と価値を添えて計画的に価格改定すれば、お客さまは離れにくい。

1. なぜ今、美容室の材料費が上がっているのか

要点:円安と原材料高で、カラー剤やパーマ液、店販材の仕入れ値が上がり続けています。値上げは少しずつ積み重なるため、感覚でなく数字で把握することが大切です。

1-1 円安と原材料高が直撃している

美容室で使う薬剤や店販商品の多くは、原料を輸入に頼っています。そのため円安が進むと、仕入れの段階でコストが押し上げられます。実際、帝国データバンクの調査でも、多くの企業が円安を自社の利益にマイナスと受け止めています。原油や物流費の上昇も重なり、メーカーが価格改定に踏み切る流れが続いているわけです。

1-2 じわじわ効いてくるのが怖いところ

材料費の値上げは、一回で大きく上がるというより、少しずつ積み重なるのが特徴です。1本あたり数十円の値上げでも、月に何十本も使えば無視できない金額になります。しかも毎日の施術に紛れて見えにくいため、気づいたときには利益がずいぶん薄くなっていた、ということが起こりがちです。だからこそ、感覚ではなく数字で把握することが大切になります。

1-3 我慢し続けることのリスク

値上げをためらって仕入れ値の上昇を店側が全部かぶると、その分だけ利益が減ります。目先はお客さまに優しく見えても、利益が薄いままだと、スタッフの給与を上げることも、設備を新しくすることも難しくなります。お店を長く続けて良いサービスを保つためには、適正な価格に整えることも経営の役目だと考えておきたいところです。

2. 価格改定の出発点は原価の見える化

要点:価格を考える前に、メニューごとの材料原価と原価率を出して見える化することが出発点です。どのメニューが薄利かが分かれば、根拠をもって値上げの優先順位をつけられます。

2-1 メニューごとの材料原価を出す

価格を考える前に、まずやりたいのがメニューごとの材料原価を出すことです。カラー1回に使う薬剤の量と単価をかければ、そのメニューの材料原価がわかります。これをメニューごとに出しておくと、どのメニューが薄利で、どのメニューに余裕があるのかが見えてきます。値上げをするにしても、全部を一律に上げるのではなく、原価が重いところから手をつける判断ができます。

2-2 原価率という物差しを持つ

売上に対して材料費がどれくらいの割合かを示すのが原価率です。この物差しを持っておくと、仕入れ値が上がったときに、価格をどれだけ調整すれば元の利益水準に戻せるかが計算しやすくなります。目標とする原価率を決めておけば、値上げの幅も感覚ではなく根拠のある数字として説明できます。

2-3 設計図として書き出しておく

VOCでは、こうした原価やメニューの構造を、頭の中ではなく設計図として書き出しておくことを大切にしています。どのメニューがいくらの原価で、どれだけの利益を生んでいるのかが一枚で見えていれば、値上げの判断もぶれません。仕入れ値が変わるたびに数字を更新すれば、次にコストが動いたときもすぐに対応できます。

3. お客さまに納得してもらう価格改定の進め方

要点:値上げは、なぜ上げるのかと価値をセットで伝え、一度に上げすぎず計画的に進めれば、お客さまは離れにくくなります。体験の質もあわせて磨くと納得感が高まります。

3-1 価値と根拠をセットで伝える

価格を上げるときに大切なのは、ただ高くしましたと伝えるのではなく、なぜ上げるのか、その分どんな価値があるのかをセットで伝えることです。良い薬剤を使い続けるため、仕上がりや持ちを守るため、といった理由が添えられていれば、お客さまも受け止めやすくなります。値上げの連絡は、価値を再確認してもらう機会にもできます。

3-2 一度に上げすぎず計画的に

いきなり大幅に上げると、さすがにお客さまも身構えてしまいます。上げ幅を無理のない範囲にとどめ、必要なら段階的に進めるほうが、離れられにくくなります。事前に告知の期間を設けておくと、常連のお客さまにも丁寧な印象を残せます。あわてず、計画的にがコツです。

3-3 値上げとセットで価値も磨く

価格を上げるなら、同時に体験の質も少し磨いておくと、納得感がぐっと高まります。カウンセリングを丁寧にする、仕上げのひと手間を足すなど、大きな投資でなくてもできることはあります。価格と価値のバランスが取れていれば、値上げはむしろお店の信頼につながっていきます。

VOCの視点:価格は「ブランドの約束」の一部

VOCはブランディングを、顧客と店が共通の認識を持っている状態と定義し、その土台は、提示していることに嘘をつかず約束を守ることだと考えます。値上げはこの約束を裏切る行為ではなく、良い薬剤や仕上がりを守り続けるための正当な調整として、根拠とともに伝えるべきものです。また販売力は集客・単価・教育・求人の4つで決まります。単価はそのひとつで、原価を見える化して適正な価格に整えることは、店を長く続けるための経営判断そのものです。

VOCのマーケティングフレーム(QSRP)では、価格(Price)は品質・空間・希少性とセットで決めるもので、マーケット平均との差の理由が明確かが問われます。値上げをするなら、DB_ナレッジにある「高価格帯は上質な体験を標準で付帯させる」という考え方が効きます。単に高くするのではなく、価格に見合う体験を標準装備にすれば、値上げは約束を守るブランディングの一部になります。VOCノウハウ原本v1にも「高単価×信頼=売上・再来・紹介・物販・メニュー比率すべてに繋がる」とあり、根拠をもって適正価格に整えることは、値上げ以上の効果を店にもたらします。

▶ この記事のまとめページ:美容室経営に効く業界動向2026|コスト・制度・集客の最新まとめ

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まとめ

円安や原材料高で、カラー剤や店販材の仕入れ値は上がり続けています。コスト増を利益で吸収し続けるのは限界があり、まずはメニューごとの材料原価と原価率を見える化することが出発点になります。そのうえで、価値と根拠を添えて計画的に価格改定を進めれば、お客さまは離れにくくなります。値上げは我慢比べではなく、店を長く続けるための前向きな経営判断として取り組みたいところです。

  • 円安・原材料高でカラー剤や店販材の仕入れ値が上昇中。
  • コスト増を利益で吸収し続けるのは限界がある。
  • 出発点はメニューごとの材料原価と原価率の見える化。
  • 価値と根拠をセットで伝え、一度に上げすぎず計画的に進める。
  • 値上げとあわせて体験の質を磨くと納得感が高まる。

よくある質問

Q1. 値上げをするとお客さまが減りませんか?
理由を伝えずに急に上げると不安を招きますが、なぜ上げるのか、その分どんな価値があるのかをセットで伝え、一度に上げすぎなければ、離れられにくくなります。告知期間を設けて丁寧に進めるのがおすすめです。

Q2. どのメニューから値上げを検討すべきですか?
メニューごとの材料原価を出して、原価が重く利益が薄いメニューから検討するのが合理的です。全部を一律に上げるより、数字の根拠にもとづいて優先順位をつけるほうが、説明もしやすくなります。

Q3. 原価の計算が難しそうです。何から始めればいいですか?
まずは主要なメニュー数種類だけでも、使う薬剤の量と単価から材料原価を出してみてください。ざっくりでも数字にすると、どこが薄利かが見えてきます。慣れてきたら店販や他のメニューにも広げていくと、価格の全体像がつかめます。

出典:総務省統計局「消費者物価指数」帝国データバンク「円安に関する企業への影響調査」(いずれも2026年)

※本記事は2026年7月時点の一般的な情報提供を目的としたもので、価格・経営判断の個別の助言ではありません。仕入れ状況や原価は店舗により異なります。個別のご判断は自店の数字にもとづいて行ってください。

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